2013年8月14日水曜日

「8.15反『靖国』行動」参加者有志による声明文-「8.15反『靖国』行動」への右翼妨害や弾圧を許さず、参加を呼びかける声明


8・15反「靖国」行動に参加する仲間たち-「8.15反『靖国』行動」参加者有志-が、「8.15反『靖国』行動」への右翼妨害や弾圧を許さず、参加を呼びかける声明を出しています。 



「8.15反『靖国』行動」への右翼妨害や弾圧を許さず、参加を呼びかける声明

安倍政権が参院選に圧勝した事で、憲法改悪、戦争、ナショナリズムの一層
の推進が危惧されています。また街頭では「在特会」などの右翼が在日朝鮮人・
外国人にヘイトスピーチを浴びせかけています。そしてこれらが最も暴力的に
展開されるのが、毎年8月15日の靖国神社反対デモであり、それは最早限度
を超えています。私たち参加者有志は妨害の暴力の停止を求めるとともに、
より多くの方が実態を知り、今年の『ゴメンだ! 安倍政権 歴史認識を問う
8・15反「靖国」行動』にもともに参加する事を呼びかけます。


★デモに対する凄まじい右翼暴力に反対を

靖国神社は戦前の侵略戦争で戦死した人々を「英霊」として祭り上げ、アジア
への侵略戦争と植民地支配を賛美し、天皇を始めとした戦争指導者の責任を
免罪しています。そして敗戦日当日の8月15日は閣僚や首相が参拝・黙とうし、
靖国神社と侵略戦争を肯定し続けてきました。そこで当日は朝から様々な
抗議行動・デモが行われ、午後は「8.15反『靖国』行動」の集会とデモが行われ
続けてきました。それに対して機動隊が過剰警備で阻止したり、靖国を参拝
する街宣右翼がデモの沿道から暴行目的の突入を試みる妨害が繰り返されて
きました。

そして2009年頃から、いわゆる「在特会」などの新たな草の根右翼グループが
街頭デモを始めた頃から、ネット上の呼びかけなどでデモ中の妨害者が激増し
妨害内容もエスカレートしました。靖国神社に最も近い九段坂下の交差点の
四方に数百人もの妨害者が陣取り、凄まじい罵声とともに空き缶やペットボトル
を投げつけてくる。デモグッズを奪い取る。街宣右翼もそれと張り合うかのよう
に突入してきて、09年はデモ終了後に参加者が殴られて鼻の骨を折る大ケガ
を負いました。2011年は右翼の突入後の現場に何とナイフが落ちていた事が
確認されました。私たちは「8.15デモ」がいま最も暴力を受けるデモになって
しまったと思っています。
毎年の写真はこちら:http://www.mkimpo.com/diary/2012/yasukunix2012.html

いま「ヘイトスピーチ」が問題になっていますが、「8.15デモ」に対してもネットでの
妨害予告や殺人教唆が行われ、今年もすでにネット上に溢れています。毎年
同時期に行われる「靖国キャンドルデモ」に対しても、今年は右翼が車で突入を
試みたといいます。今年の「8.15デモ」も集会の段階から深刻な妨害が予想され、
それは開催前から参加者と主催者に多大な心労と被害を与えています。民主
社会の根幹であるデモを文字通りの暴力で圧殺することは絶対に許されません。

また右翼暴力の多くが警察に放任されていることも見過ごせません。すでに今年
6月の新大久保でも「在特会」らのデモが許容される一方でデモに抗議した側が
4名も不当逮捕され、右翼が「被害届」を提出して警察が運動側の立件を狙う事も
東西で起こっています。2011年の「8.15」の右翼所持品と思われるナイフは公安
警察が拾ってバッグに隠して不問にしてしまいました。また2012年の<「危機」
の時代の天皇制を問う!2.11反「紀元節」行動>では、未公表のデモ出発時間が
右翼のブログに掲載され、デモコースも未公表なのにコース上で妨害右翼が待ち
受けていました。デモ申請後に公安警察が情報をリークしたとしか考えられません。
右翼暴力に乗じての弾圧も常に懸念されるのです。


★靖国神社は問題の根源。ぜひ多くの参加を!

首相や閣僚がどれだけ国内外から批判されても靖国参拝を続けるのは、権力者が
支配体制を維持するための核心的行為だからです。靖国反対デモが右翼から凄ま
じい暴力を受けるのも、靖国への反対は権力者にとって「あってはならない事」に
なっているからです。「靖国神社への反対は死者への冒涜だ」「遺族や人々が個々
の死者を追悼したい気持ちを踏みにじることになる」という批判がよく聞かれます。

しかしこれは大きな事実誤認です。靖国神社は個別の死者を祀る場所ではなく、
天皇のために死んだ者だけが選ばれ「英霊」と一まとめに祀られています。つまり
死者を選別して個別性を奪い、国家のための死を優先し、私たちにそう思わせるの
が靖国神社の機能なのです。それを通して戦前の戦争を正当化し、新たな侵略
戦争で自衛隊員が死んだ際も活用されうるのです。

天皇制から安倍晋三まで、日本の権力者が戦前から継続していることは知られて
おり、靖国神社はその核です。国家主義を極めている今の安倍政権下では、反対
デモへの暴力と弾圧の危険性もより高まります。いわば現在の「8.15」と反対デモ
への妨害は、原発事故の責任を取らず憲法改悪や貧者の切り捨てに突き進む安倍
政権と日本国家の暴力的な本質と起源が、最も露呈する場だと言えるでしょう。

だからこそ「8.15デモ」は今年もこれからも無事に大きく行われなければなりません。
私たちは参加者としても「8.15デモ」への右翼暴力の停止を求めるとともに、多くの
方々が暴力に反対することを呼びかけます。そして多くの方にご参加いただき、暴力
や弾圧を止めながら問題の根源へ迫ることを、願わくば「3.11」原発事故後の酷い
状況を変えたいと新しく社会運動に参加し始めた方々や、「在特会」らのヘイトスピ
ーチに心を痛めてカウンター行動に参加し始めた方々にもぜひともに参加して頂く
ことを呼びかけます。


2013年8月13日 「8.15反『靖国』行動」参加者有志